鎌倉の進学塾 塾長が考える、受験と国語とその先のこと- Junya Nakamoto -
2025.02.15
2025年度公立高校受験生のみなさん、5教科の共通選抜が終わりました。数学の難化(煩雑化?)が話題ですね。
受験生をサポートしてくださったご家族の皆様や学校・塾の先生方、大変お疲れ様でした。また、これから特色検査、追検査を受けられる方々は、周囲の悲喜交々を横目にもう一度、入試に向かっていく気持ちを整えるのは大変ですが、あとひと踏ん張り、です。頑張ってください。
公立高校入試の結果が出るまで、長い長い二週間を過ごすことになります。データとして、色々と発表されてくるものもありますし、入試にまつわるいろんな話が飛び交い、すっきりしない気持ちも渦巻くかとは思いますが、まず一旦ここでひと区切り。
張り詰めていた精神を解放し、ゆっくりと過ごす時間も、きっと心のエネルギーになるはずです。
さて、dosh.(岡本塾・慧真館・すばる進学セミナー)では、今年も自己採点結果を共有し、平均点を公表いたします。各教科の難易度・ボーダーライン(合格最低点)予想についても触れていきます。
目次
2025年入試の難易度について様々な憶測が流れていますが、雰囲気でも所感でもなく、70人前後の受験者の自己採点を踏まえ数字を根拠とした、dosh.としての見解をお伝えします。(難易度は2024年度との比較です)
昨年そろった各教科の難易度はまた今年、大きく離反することとなりました。バランスの良い入試、というものの実現が如何に大変かということを物語る2025年入試となりました。
数学の難しさ、煩わしさで衝撃が走りましたね。一方で、英語・国語については随分と解きやすくなっていると感じます。ただし、英語・国語については、翠嵐や湘南など元々平均点が高い学校では、上限に蓋をされ、点数が上がりきっていない部分もあります。
また、英語は文法や並び替え問題などに癖があり、例年よりも「100点」が出にくかったように思います。
国語は漢字が簡単だったので、問1で点数を落とす人は少なかったのではないでしょうか。理科は数学のショックを引きずったという声も多く聞かれています。社会まで精神力を持たせるのは大変でしたね。
経験したことない緊張感や、気持ちの浮き沈みを感じたことでしょう。今はゆっくり心と身体を休めてください。特色検査組はあと少し、踏ん張って!
昨年まで実施していたdosh.TVは今年はやりません。
仲が悪くなったわけではありませんので、ご安心ください。(誰も心配していませんね)
続いて自己採点結果を公表します。全体の平均点に加えて偏差値グループごとに分けた平均点もあわせてご覧ください。“各校ごと”ではないのは、受験者が一人の学校などは点数が参考にならない場合があるのと、個人の特定を避けるためです。
今年は翠嵐・湘南の受験生が10名前後いますので、翠嵐・湘南平均も公表いたします。
dosh.全体の平均点は、科目ごとにばらつきが出ました。英・国・社が取れなければ窮地に追い込まれ、理・数で差が大きく開く、という少し前に見られた悪しき傾向が戻ってきてしまいました。グループごとの状況について触れていきます。
ボーダーラインについても予想をしてみますが、特色検査実施校については、まだまだ逆転可能です。ボーダーラインを下回っている場合は、特色検査で平均以上を取れば十分に形勢を変えていくことができます。
グループ1は、湘南・横浜翠嵐・厚木・柏陽・川和の5校です。「学力向上進学重点校」の括りではなくなってしまったのですが、昨年までとの比較がしやすいように、この5校をグループ1としています。
五教科の平均点が433点となり、昨年より低くなっていますが、これは英語も国語も“100点以上は取れない”という蓋があることと、数学砲の影響が最上位校でも大きく出たことによります。
得点力のあるメンバーが集まるグループ1。昨年の数学の平均点は78.7点でしたが、今年は71.6点とダウン、簡単になったと言われている英語は満点が出づらい設計からか、ややダウンとなりました。
グループ1のメンバーにとっては、5教科通して“思ったほど点が取れなかった”という結果だったかもしれません。
翠嵐・湘南については、後ほど個別で触れます。特色検査がかなり合否を左右することになりますが、ボーダーラインは柏陽・厚木は415点前後、川和は405点前後を予想します。
グループ2は、緑ケ丘とそれに近いサイエンスフロンティアで構成されています。昨年大幅ダウンとなったグループ2ですが、今年は英語・国語の易化の影響もあり、しっかりと点数を取れています。ただし、dosh.内の受験者が多くはないので、グループ2の平均点は参考程度としてください。
緑ケ丘は合格者平均点で考えると昨年よりも10点近く上げてきそうです。もちろん、特色検査の結果にもよりますが、近年では最も倍率が低い年となった2025年の緑ケ丘は405点前後、サイエンスフロンティアは410点前後がボーダーラインの一つの目安となりそうです。
ただし、緑ケ丘もサイエンスフロンティアも特色検査の割合が「2」です。特色検査次第で結果は変わります。
グループ3は、全県模試偏差値帯では65〜67のグループ。こちらは406点となり昨年度と大きく変化がありません。意外にも英語で点数を伸ばすことができず、昨年とほぼ変わらない結果となりました。
ここも実力派が受験する進学重点エントリー校が並んでいるため、高い合格者平均点となっています。ボーダーラインは希望ケ丘・光陵・神奈川総合・小田原は380点、横須賀・平塚江南370点程度を予想します。
グループ4は、全県模試偏差値帯では60~65のグループ。こちらは388点となっていて、昨年と比べて20点以上あげてきています(dosh.比)。
社会と国語でそれぞれ10点アップ、数学と英語でプラスマイナス0といった結果でした。ボーダーラインは355点〜375点あたりを予想します。横浜国際・市立金沢・茅ケ崎北陵が365点前後、鎌倉は375点あたりでしょうか。
鎌倉・茅ケ崎北陵は、特色検査の割合が「1」なので、ボーダーライン付近では内申点や観点別評価も重要です。さらに、5:5の横浜平沼はギリギリの状況から内申点の影響力で逆転する人も増えてきます。
グループ5は、全県模試偏差値帯では55〜60のグループです。年度によって振れ幅の大きいゾーンです。グループ5は唯一昨年よりも平均点を下げました(dosh.比)。
数学の下げは他グループと同様ですが、理科が10点以上下げており、影響が大きくなっています。ここから判定はしづらいですが、ボーダーラインは310~330点あたりを予想しますが読みにくいです。
七里ケ浜は330点、学力検査の割合が7の大船は325点、倍率の低かった秦野は315点台まで可能性があります。桜丘は340くらいでしょうか。
グループ6は、全県模試偏差値帯では50~55のグループです。dosh.からの受験者が昨年は5名未満だったため、今回は平均点の掲載は致しません。
dosh.の翠嵐・湘南の2025平均点は445点となりました。翠嵐・湘南のdosh.受験生たちにとってみると「100点が取れない英語」はやや誤算で、難しかったと言われていた昨年よりも、今年は下げる結果となっています。
数学のダメージはやはり大きく、昨年比較ではややダウンとなりました。おそらく合格者平均点は昨年同等でしょうか。翠嵐は455点前後、湘南は445点前後となる予想です。
翠嵐のボーダーラインは440点前後、湘南430点前後と言いたいところですが、特に翠嵐は特色検査の割合が唯一「3」です。湘南でも「2」ですので、学力検査の10~20点の差は特色検査で簡単にひっくり返ります。最後まで予断を許しません。
特色検査は6教科目というよりも、合否の結果を大きく左右するファクターとなっています。
2月18日にSTEP平均が発表されますので、一つの答え合わせとしてください。
STEP平均の見方については、少し古いですが、こちらの記事も参考になるかと思います。
2月28日、結果が出ます。みんなが望む結果を手に入れる、とはいかないところが受験のつらい部分です。毎年のようにこのタイミングでお伝えしていますので、ちょっとポエムなんですが、伝えたいことを書きます。
ホッとした。
最高の気分。
うまくいかなかった。
どうしてこんなことに。
いつも不安で震えていた人が、晴れやかな顔つきをしています。
普段、すごく強かった人が、人知れず涙を流しています。
全部、受験です。
今回の入試の結果で、あなたがこれから手に取る「本」が変わります。
思ったよりも、ずっしり重い本かもしれない。
思ったよりも、あっという間に読み終わる本かもしれない。
思ったよりも、面白い本かもしれない。
あなたは、そのまったく新しい本のページをどうめくっていきますか?
物語は、ここから、始まります。
期待に胸を膨らませながら、あるいは不安に震えながら、新しいページをめくっていく君の勇気に最後のエールを送ります。
高校受験お疲れ様でした。
良い人生を。