受験を超えて

鎌倉の進学塾 塾長が考える、受験と国語とその先のこと- Junya Nakamoto -


速報と分析 2017神奈川県公立高校入試倍率(2月1日時点)

2017.02.01


2018年度の倍率速報と分析はこちら

2月1日、2017年神奈川県公立高校入試の出願が締め切られ、暫定倍率が発表されました。今年の各校の倍率はどう動いたのか、速報と簡単な分析をしてみたいと思います。あわせて先日の予想倍率との差異の答え合わせといきたいと思います。(2017年度最終倍率 2月8日発表

受験生の皆さんへ。志願変更を恐れることはありません。志願変更は神奈川県が受験生の皆さんに与えてくれた選択の権利です。一つの学校を目指してひたむきに頑張るロマンは素敵ですが、「合格」を優先した時に志望校を変更することは冷静な「判断」です。

まだ最終出願(2月6日〜)まで数日あります。第一志望の合格率、そして第二志望、第三志望に変更した時の合格可能性をよく見極めて選びましょう。自分の考えで自分の道を選んでいきましょう。あなたの選択はどんな選択であっても尊く素晴らしいものです。

そして、受ける学校が決まったらもう倍率は関係ありません。一点でも多く取るために最後の数日間で実力を磨くのみです。一度しかない皆さんの高校受験が良いものとなることを願っています。

それでは、倍率速報と分析です。

予想の精度

±0.05以内
±0.06以上0.1以内
±0.11以上0.15以内
±0.16以上0.2以内
× ±0.21以上

学力向上進学重点校

今年も倍率トップは翠嵐 柏陽・緑ヶ丘は大幅増 湘南・横須賀・希望ヶ丘は減少

まずは、学力向上進学重点校からです。例年軒並み高倍率となる各校の過熱度は今年はどうなったのでしょうか。

   


学力向上
進学重点校

2017年度
定員

2017出願数
2月1日時点

2017倍率
2月1日

前年度倍率
(志願変更前)

倍率
推移

2017予想倍率
当サイト

精度
湘南 358 525 1.47 1.72 1.65
翠嵐 358 760 2.12 2.2 2.45 ×
柏陽 318 528 1.66 1.55 1.44 ×
川和 318 519 1.63 1.58 1.6
緑ヶ丘 278 484 1.74 1.54 1.45 ×
厚木 358 456 1.27 1.33 1.41  -
多摩 278 469 1.69 1.68 1.66
希望ヶ丘 358 400 1.12 1.73 1.65 ×
小田原 318 367 1.15 1.14 1.12
横須賀 278 338 1.22 1.54 1.41
光陵 278 380 1.37 1.45 1.29
相模原 278 326 1.17 1.35 1.19
平塚江南 318 363 1.14 1.29 1.23
大和 278 465 1.67 1.73 1.61
鎌倉 318 457 1.44 1.32 1.35
横浜国際 178 254 1.43 1.47 1.5
秦野 358 412 1.15 1.26 1.15
追浜 278 345 1.24 1.02 1.15

注目の翠嵐VS湘南は、今年も翠嵐に軍配。差はさらに開きましたね。昨年までは難易度は横並びだったと言えますが、今年はついに翠嵐が明確にトップに立つ年ではないでしょうか。御三家の一角、柏陽高校は予想とは異なり高い倍率となりました。湘南を避けて柏陽を選んだ人が多いのでしょうか。

川和の倍率が高くなっています。SSKHとしていよいよ特色検査導入の日も近いのかもしれません。緑ヶ丘は予想を上回っており、難易度は更に上昇しそうです。横須賀は、特色検査と理系色を嫌気してか受験生は減少となりました。希望ヶ丘高校も人数を集められていません。横浜地域への人の集中が目立ちます。一方、湘南地域・横須賀地域・県西は人数集めに大苦戦している様相です。

横浜市進学重点校

4校とも高倍率。市立南が定員を超える

続いて横浜市進学重点校4校です。人気が高い3校と定員割れが続く市立南の倍率はどうだったのでしょうか。

高倍率の理由については、こちらの記事もご参照ください。
(空前の高倍率! 横浜市立高校 人気の秘密)

   


横浜市
進学重点校

2017年度
定員

2017出願数
2月1日時点

2017倍率
2月1日

前年度倍率
(志願変更前)

倍率
推移

2017予想倍率
当サイト

精度
YSFH 238 372 1.56 1.59 1.51
市立金沢 318 524 1.65 1.57 1.58
市立桜丘 318 494 1.55 1.59 1.67
市立南 38 56 1.47 0.55 0.74 ×

サイエンスフロンティア(YSFH)は安定した高倍率。中学入試も今年から始まり、注目度の高い同校ですが、変わらずの人気です。理系色だけでなく、国際色にも富んでおり、今後も難易度はさらに高まってくるでしょう。市立金沢は予想通りの高倍率で、数年来の人気は今年も続いているようです。しっかりとした学習指導と手厚い体制、全部全力の姿勢が評価されているようです。市立桜丘も高倍率ですね。駅からの利便性の悪さを除けば、環境も中身も素晴らしい学校です。設備やカリキュラムが充実している横浜市立高校の人気に拍車がかかっています。定員割れが続いていた市立南はついに定員を確保。「お買い得感」が浸透したのかもしれません。

地域難関校

人気高い市ケ尾、かげりが見える横浜平沼

   


地域難関校

2017年度
定員

2017出願数
2月1日時点

2017倍率
2月1日

前年度倍率
(志願変更前)

倍率
推移

2017予想倍率
当サイト

精度
横浜平沼 318 339 1.07 1.35 1.11
茅ヶ崎北陵 278 365 1.31 1.27 1.45
市ケ尾 398 574 1.44 1.54 1.52

次は、地域の難関校です。今年評判が良かった茅ヶ崎北陵ですが、蓋を開けてみると昨年から少し減少したところで落ち着きました。事前の人気傾向への懸念から受験生が安全を期して志望校を変更したのでしょうか。横浜平沼は応募者数が減っています。進学指定校へエントリーし、現在の厳しめの校則に加えて進学指導に熱が入ることで、平沼カラーが変わることへの評価なのかもしれません。市ケ尾は高校生活のバランスの良さが評価されています。良い学校ですよね。

地域人気校

湘南地区人気は継続。藤沢西の高倍率が光る

最後は、地域人気校です。湘南・横須賀・横浜市南部を中心とした人気校数校です。

   


地域人気校

2017年度
定員

2017出願数
2月1日時点

2017倍率
2月1日

前年度倍率
(志願変更前)

倍率
推移

2017予想倍率
当サイト

精度
大船 398 512 1.29 1.35 1.5 ×
七里ガ浜 358 510 1.42 1.28 1.63 ×
市立戸塚 279 377 1.35 1.38 1.42
横浜栄 318 424 1.33 1.32 1.57 ×
藤沢西 278 434 1.56 1.25 1.42
湘南台 278 390 1.40 1.2 1.16 ×
市立横須賀総合 320 408 1.28 1.53 1.52 ×
鶴嶺 383 459 1.20 1.07 1.02

大船・七里ガ浜は予想を少し高めにつけすぎました。勢いはあったのですが、直前で変更する生徒が多かったようです。大船はやや易しくなり、七里ガ浜の難易度は大きく変わらないでしょう。横浜栄や横須賀総合は予想に反してあまり高くない倍率となりました。藤沢西の高倍率が目立ちます。新校舎効果でしょうか。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます。
倍率予想の結果は、☆◎→勝ち △×→負け −→引き分けとすると、
16勝13敗4分けとなりました。(勝率56%)
良いのか悪いのか分かりませんが、大体の傾向は当たっていたので少しはお役に立てたのかな、と言える結果だと思います。

一つ心構えをお伝えしておきます。志願変更で最初の出願よりも上位の学校に変更する人はほぼいません。要するに、志願変更してくるメンバーは合格するための選択をしてきた「強敵」だということです。現状で満足していると、そのメンバーに弾かれますよ。特に今年は上位校の倍率が軒並み高く、例年よりも志願変更で大きく動きそうです。

これまでの模試で合格判定が出ていても油断できません。最後まで気を抜かずに、走りきりましょう。ミスがすべての命取りだと自覚しておきましょう。最後の合否を決めるのは、難問の出来不出来ではありません。「ミスの数」です。
力を出し切ろう。さぁ本当のラストスパートの始まりです。最後の瞬間まで諦めないでください。

直接関わることはできませんが、このブログを読んでくれた君にささやかながらエールを送ります。応援してもらった人の数だけ人は強くなれる。私はそう信じているので、このエールも本当にわずかかもしれませんが力になるはずです。

がんばれ、受験生。