鎌倉の進学塾 塾長が考える、受験と国語とその先のこと- Junya Nakamoto -
2020.06.08
noteで連載していて好評だった『漣の果てに。』に加筆修正をしてKindle版で刊行することにしました。
目次
本作は闘病中だった父に向けて書いた小説です。
聡明で博識でクソ真面目で仕事人間。不器用で部下思いでグウタラ亭主で金の使い方が下手で、でも静かに優しかった父親。
膵臓癌がステージⅣで発見され、悩み、苦しんでいる父親に対して、親譲りの無鉄砲仕事馬鹿な息子は、何もしてあげることが出来ませんでした。
思索だけが取り柄の息子として、幼少期からの父親とのエピソードに思いを馳せているうちに、「書きたい」という思いが湧き上がってきて執筆したのが、この小説です。
なぜ、生きるのか。「終わり」とは何か。
愚直すぎるテーマですが、そんなことを問い続けながら書き上げた作品です。
一部自伝的ではありますが、大いにフィクションです。
noteでの連載を終えてから四ヶ月。読み返してみるとまだまだ直したいところがあり、結構修正をかけました。きっとこの先も完成することはない小説なのかな、と思いつつも現時点での完成形として出版いたします。
連載をご覧いただいた方も、一冊の電子書籍としてもう一度お楽しみいただけるものに仕上がったのではないかと思います。
連載中の感想を少しだけご紹介させていただきます。
おもしろい~!次の展開が待ち遠しい!読めない漢字が出てくる経験も楽しめますよ!
豊富な語彙と様々な作品へのオマージュに溢れた小気味良い文面は、まさに圧巻!(中略)最後は感動して眠れなくなりました。おかげさまで寝不足です(笑)
私にとって、月曜日(注:毎週月曜日に更新していました)は…週のはじまりと同時に、小説の世界観に入り、懐かしい景色に想いを馳せ、あの場所に連れて行っていただける、そんな特別な日になっていました。
嬉しい感想をお寄せくださり、ありがとうございました。大変励みになりました。
自画自賛するようですが、表紙絵は目を引く素敵な仕上がりですよね。
贅沢にも藍染アートで注目を集めている教え子、大小田万侑子さんに描いていただきました。大好きな葉山海岸での息子との写真がモチーフです。
この小説は父親へのエールではありましたが、執筆中だった2012年は長男が生まれたメモリアルな年でもあります。いつか息子に読んでもらう時が来た時に、「表紙の絵は君とパパだよ」と贈ってあげたい、というエゴです。
三パターンも描いてくれて、悩みに悩みましたが、ストーリーの内容や私自身の想い、そして大小田さんの画風としても新境地だと感じたものを採用させていただきました。タイトル配置のデザインはJumpstart桑畑健さんにご協力いただきました。
処女作であり、渾身の作品でもある『漣の果てに。』は私にとって特別な一冊です。未だこの作品を超える小説が書けません。その一冊を彩ってくれたお二方には特別な感謝を送ります。ありがとうございます。
私にとって忘れることの出来ない大切な数字、「412」を販売価格と設定させていただきました。この辺の自由度があるのもKindle出版のいいところですね。412円(税込)です。
文庫版にするとおよそ100ページ強の中編小説となりますので、気軽にお読みいただけるのではないでしょうか。
※ただし、注意してほしいのはiphone/ipadのAmazonアプリからだとKindle本は買えません。SafariやChromeからAmazonにログインしてもらえれば、購入可能ですし、Kindleアプリから買う手もあります。これはAppleの仕様みたいです。PCやAndroidなら問題なくAmazonアプリから購入可能です。
Amazonレビューをいただけると、すごくすごく喜びます。もし、書いてやってもいいという方がいらっしゃったら、どんなに短くても、どんな内容でも、星が一つでも、受け止める覚悟は出来ていますので、是非よろしくお願いします。
Kindleでの出版ですので、紙媒体では読めません。
Kindle読み慣れている人や買い慣れている人は問題ないと思いますが、「生徒からもKindle読んだことないけど先生の小説読みたい」という愛しい声が上がっていますので、どうやったら『漣の果てに。』(Kindle版)が読めるのかについて、ここから簡単に説明しますね。
Kindle専用のデバイスがないと読めないのではないか、と思われている方もいらっしゃるかと察します(私もかつてはそうでした)。
そんなことはありません! 読み方を以下にご案内します。
Kindleを読むためには主に三つの方法があります。
特にお勧めはPaperwhiteです。すごく読みやすいですし、今まで「読書は紙だろ」と思っていた私でもほぼ抵抗ゼロで読書に勤しめる端末です。目にも優しいし、画面の質感がホントにいいです。防水機能もついています。
スマホで読むと途中で通知がきて気になってしまう人にもお勧めですね。
贅沢な読み方をしたい方はKindle oasisというのもあります。Paperwhiteの質感に加えて、画面の明るさが特徴なのと色調調整機能がいい感じ。手持ち部分もさりげなくいいです。
ちなみに私が使用しているのは、Paperwhiteの8GBです。専用ケースのフィット感がめちゃくちゃ良くて気にいっています。短編小説やビジネス本、新書系などの長時間の熟読を必要としない本、付箋を貼ったり線を引いたりしたい本についてはKindle版。長編小説や文学でじっくりと文章と向き合いたい作品については紙の本。という感じで読み分けて使っています。
「漣の果てに。」は中編小説ですから、Kindleで読むにはちょうど良い長さだと思います!
Kindle公式アプリをApp storeやGoogle playストアからダウンロードすれば大丈夫です。タブレットやKindleをお持ちでない方は、スマホでも読めないことはありません。でも、いい機会ですから思い切ってKindleを買うのもいいと思います。
スマホよりも大画面で読めます。Kindleよりも少し画面にツヤがあり、反射してしまうこと、紙の質感は全然ないということが難点です。スマホ同様にKindle公式アプリから読めます。
読むことは可能ですが、正直あまりお勧めしません。パソコンで読書、あまりしませんよね。もし、PCで読む場合はKindle for PC か Kindle for Macのアプリをインストールしてください。
※最後に注意点。上にも書きましたがiPhone/iPadのAmazonアプリからだとKindle本は購入できませんのでご注意ください。
「書く」ことで自分の中のモヤモヤに名前をつけていく、というのはかまくら国語塾のコンセプトですが、まさにそれを体現した小説でした。そうか、こういう想いを持っていたのか、こんな風に自分は父親を見ていたのか、というのが小説を描き続けることでたくさん発見できました。
やはり「書く」ことは楽しいし、すごく、いい。
「Kindleで出版するよ」と言ったら即座に「買う、買う。絶対買う」と反応してくれた生徒のみんな、いつも支えてくれてパワーの源をくれる五人の家族、そして、あの世で「なかなかのもんだよ」と感想を言ってくれたに違いないお父さん、ありがとう。
Kindleで出版するのは断然簡単で、謝辞とか大袈裟すぎて恥ずかしいんですが、幼い頃からの夢が一つ叶った瞬間ですので、笑い飛ばしていただければと思います。
アーティストの表紙絵候補をせっかくなので公開します。どれもすごく気に入ったんですが、悩みに悩んで決めました。