受験を超えて

鎌倉の進学塾 塾長が考える、受験と国語とその先のこと- Junya Nakamoto -


STEP平均と合格者平均の関係性2022

2022.02.19


毎年、神奈川県公立高校入試が実施された数日後、塾生の自己採点結果をSTEPさんが公開してくれます。各校の各科目の詳細まで含めての公開となっていて、例年合否予想の一つの目安の数値として、保護者や受験生、そして各塾が注目している発表です。

特に湘南や厚木の合格者は実に3分の2がSTEP生であり、信頼に値する数値です。このSTEP平均の見方について誤解や勘違いもあるようなので、少しだけ解説します。あわせて2月18日にライブ配信したdosh.TVでご紹介しきれなかったデータなども交えながら説明します。

STEP平均については、STEP公式発表をご確認ください。

STEP平均の見方の注意点

あくまで「STEP内の各校受験者でかつ自己採点に協力してくれた人」であり、合格者の平均点というわけではないということです。学校によっては調査人数にバラツキもありますし、この点数をどう見ていけばいいのかということを簡単に説明します。

風説として語られることが多いのが、「STEP平均を上回れば合格、下回れば危ない」というものです。この説をそのまま受け止めると、STEP平均=ボーダーラインとなることになります。

実際はそんなことはありません。

STEP平均と合格者平均

ここからは、伸学工房(全県模試)が模擬試験受験者対象に実施している入試結果追跡調査を参照しながら話を進めます。以降、「合格者平均」とあるのは、この伸学工房追跡調査の値です。参考までに、2021年度の追跡調査は19,700件STEPの自己採点調査人数は6,247人でした。

例えば、

湘南高校

  • 2021年STEP平均 457.3
  • 2021年合格者平均 460.5
  • ボーダーライン予想 445あたり

鎌倉高校

  • 2021年STEP平均 410.3
  • 2021年合格者平均 415.2
  • ボーダーライン予想 405あたり

ボーダーラインについては、特色検査の影響がありますし、鎌倉高校は面接も多少差がつくので、5教科の得点だけでは決めづらいところもありますが、およそこの辺りであったかと思います。

実際に数値で見てみると以下の通り。

 

学力向上進学重点校+YSFHで見てみるとすべての学校で合格者平均がSTEP平均を上回っています。グラフにするとこんな感じ。

 

 

学校によってバラつきはもちろんありますが、合格者平均点が高いほどSTEP平均との差異は縮まっているという印象です。このことからも特に高い得点力が必要な学校において、高得点を出せる塾生が多数STEPに在籍していることが分かります。

この傾向は2020年度でも同様です。

 

 

「STEP平均より合格者平均が低い」という話はほぼ当てはまりません。

偏差値帯をもう少し下げても同様です。大船や七里ガ浜、市立戸塚や市立東、市ケ尾や秦野などの全県模試偏差値55~60の学校でも、学校ごとに差は大きく出ますが、概ね5点〜15点合格者平均が上回っています。

2022年はどうなるか

dosh.TVでも話しましたが、2022年度は問題の難化の影響で全体的にはボーダーラインは少し下がりそうな気がしています。ただ、進学重点校に関しては、易化した特色検査の影響で、そこまで下がりきらないのかもしれません。

STEP平均と合格者平均点との関係性は、「高い得点力を必要とする学校では差は少ない。徐々に開いていくものの開き幅は限定的で、ほぼどの学校でも合格者平均点の方が高い」ということは今年も変わらないと思われます。

おわりに

STEP平均を見て、安心した人も絶望した人も、かえって不安になった人もいらっしゃると思いますが、「受かると思ってたのにダメだった」とならないよう短めですが、記事を書きました。

受験生の皆さんの何かの助けになれば幸いです。

高校受験、お疲れ様でした。
いっぱい遊んでね!

(記事におけるSTEPさんの数値の引用に問題があれば、ご連絡ください。すぐ消します)