鎌倉の進学塾 塾長が考える、受験と国語とその先のこと- Junya Nakamoto -
2020.02.18
2019年2月に結成されたdosh.(岡本塾・慧真館・すばる進学セミナー)では、今年も自己採点結果を共有し、平均点を公表いたします。各教科の難易度・ボーダーライン(合格最低点)予想や終わったばかりの特色検査についても触れていきます。噂の2017年度合格者平均点も掲載してみましたのでご参考までに。
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目次
2020年入試の難易度について様々な憶測が流れていますが、雰囲気でも所感でもなく、80人前後の上位校受験者の自己採点を踏まえ数字を根拠とした、dosh.としての見解をお伝えします。(難易度は2019年度との比較です)
結果として3年前(2017年度)の入試に近いような平均点となることが予想されています(3年前の平均点は後に示します)。しかしながら、あくまで似たような平均点となるのは5教科の点数だけ。3年前とは特色検査の位置付けが大きく異なります。実施校は大幅に増え、問題は大枠で共通化されました。また、横浜緑ケ丘などは特色検査の性質も変貌しています。
“平均点が近づく”というだけで、合否結果まで同じようになるとは限りません。特色の出来、各校の面接の匙加減によって、合否は全く違うものになるでしょう。
続いて自己採点結果を公表します。全体の平均点に加えて偏差値グループごとに分けた平均点もあわせてご覧ください。“各校ごと”ではないのは、受験者が一人の学校などは点数が参考にならない場合があるのと、個人の特定を避けるためです。
dosh.のwebサイトはこちら。
グループ1は、学力向上進学重点校(SYAH)の4校です。5教科の平均点が440点となりましたが、湘南・翠嵐2校に関して言えば、450点を優に超えています。ただ、国語や理科の頭打ちがあるので、昨年比でそこまで激しい上昇にはならない見込みです。翠嵐・湘南で昨年比15点程度、450点前後が合格者平均になりそうな気配です。また、最上位グループでも英語の平均点は下がっていることに注目しておきたいですね。特色がかなり左右することになりますが、湘南・翠嵐のボーダーラインは430点前後、厚木・柏陽は415点前後かな、と。
グループ2は、学力向上進学重点校エントリー校の中でも最上位に位置する川和・緑ケ丘の2校とそれに匹敵するサイエンスフロンティアで構成されています。415点と昨年に比べると大幅に上昇することがなかったのもこのグループ。受験者数が多くないので、最終的な着地点が読みづらいのが第2グループです。イメージとしては昨対20点程度の上昇でしょうか。倍率・特色検査にもよりますが、405点前後がボーダーラインの一つの目安となりそうです。
グループ3は、全県模試偏差値帯では65〜67のグループ。こちらは402点。昨年と比べて30点近い上昇(dosh.比)。進学重点エントリー校として、実力派が受験するようになった結果、平均点が上がっていると考えられます。実際はここまでの上昇とはならないかもしれません。ボーダーラインは380点〜385点あたりでしょうか。ただ、特色検査の難易度が高かったので、大逆転は起きそうな気がします。
グループ4は、全県模試偏差値帯では60~65のグループ。394点となっていて、こちらも昨年と比べて30点程度の上昇(dosh.比)。鎌倉・横浜平沼が進学重点エントリー校として指定されている影響と、金沢受験者のレベル上昇、横浜国際受験生の高得点が寄与して、dosh.平均は高めに出ています。実際はここまでの高得点平均とはならないはずです。ボーダーラインは370点〜375点あたりを予想しますが、鎌倉・平沼のボーダー付近の人は特色が鍵を握りますね。
グループ5は、全県模試偏差値帯では55〜60のグループです。年度によって振れ幅の大きいゾーンではありますが、実際の数値は昨対15~20点程度の上昇になりそうです。この偏差値帯は、2017年度に匹敵するとも思えません。2017年度よりは低めで着地するかと思います。
グループ6は、全県模試偏差値帯では50~55のグループです。doshからの受験者が少ないこともありますので、参考程度にご覧ください。
巷で同等程度の難易度と言われている3年前(2017年度)の合格者平均点を見てみましょう。多めに学校を拾いましたので、上記のグループ分けと異なるのはご容赦ください。
およその想定ですが、概ねこの数値と同じくらいもしくはマイナス5点くらいで着地するのではないでしょうか。随所に骨のある問題もあるため、2017よりは少しだけ低めかもしれません。
このグループも同様です。2017よりは若干低めの点数になるかと思われます。特に倍率が当時よりも少し下がっている川和や緑ケ丘はここまでの数値にはならないはずです。逆に今年高倍率となった大和、2017年度は1.15倍で今年倍率が上がった平沼は、ほぼ同等の数字になりそうです。
YSFH(横浜サイエンスフロンティア)は高倍率なので同等程度の得点になる模様。市立金沢・市立桜丘は若干この数字よりは下がると思われます。
SOFTS(七里ガ浜・大船・藤沢西・鶴嶺・湘南台)と各地域の人気校です。各地域の人気校は、独断と偏見で抽出しました。これ以外の学校の受験生、本当にごめんなさい! 同偏差値帯の学校を参考にしていただければと思います。抽出したのは、市ヶ尾・港北・元石川・松陽・横浜栄・新城・生田・市立橘・追浜・横須賀大津・秦野・西湘・海老名・座間の14校です。
倍率による変動もあるかと思いますが、全般的にこの点数よりはややダウンを予想します。
- 「順番を入れ替えたりしながら最後までやりきりました」(湘南)
- 「想定内でしたが、手数はかかりました」(湘南)
- 「あんまり苦労はしませんでしたが、合っているかは分かりません」(柏陽)
- 「普通に難しかったです。問1の一番最初が“ダルっ”と思った」(柏陽)
- 「読み飛ばしてもいいって感じの問題がなかった」(緑ケ丘)
- 「問4で吹いた」(緑ケ丘)
- 「展開図の問題は面白かった」(緑ケ丘)
- 「問6が、、、」(横須賀)
- 「文章は多いんですが、しっかり読めば意外といけた。読んでも読んでもお手上げって問題は過去問と比べて少なかったように思う」(横須賀)
- 「問1の英文絡めた問題が難しくて後半にいくにつれて段々とペースを取り戻せた」(鎌倉)
20ページにもわたる圧倒的な分量で特色受験者を大いに惑わせた今年の特色検査。特に今年から実施を始めたエントリー校の受験生は面食らったのではないでしょうか。取捨選択する力、解ける問題に絞り込んでいく眼力が必要とされる問題でした。
前年よりも大きく平均点は下がりそうです。
最後にdosh.の活動について。本年度の入試に向けて情報共有や切磋琢磨(他2塾の模試結果を知ってお互い悔しがる)をしてきました。それぞれの塾にとって、何より各塾の生徒たちにとってプラスとなる活動を十分に出来たと思っています。
すぐに瓦解すると思われていた方、残念でしたね。
dosh.の2020年はこれまで通りの活動に加えて、どこの塾にも通っていない受験生向けセミナー等も開催していきたいと思っています。多くの受験生がフェアに力が出せるように、今後も活動を続けていきます。
昨年度のセミナーの様子はこちら(りんごくんblog)。結構盛り上がりました。
2020年度受験生のみなさま、高校受験、本当にお疲れ様でした。
2月28日、結果が出ます。明暗分かれるのが受験。みんなが桜満開といかないところが受験のつらいところです。
でも、望まない結果になったとしても、自分を否定する必要なんてない。一切ない。
君が受験勉強を通して、学んだことはなんだったか。
圧倒的な知識、効果的に学ぶ方法、集中できる環境の作り方、時間の使い方、我慢強さ・粘り強さ、仲間の存在の心強さ、頼れる先生との信頼関係、親のありがたみ、くじけずに立ち向かう強さ──。
数えきれない経験とスキルを君は身につけ、そして自分を囲む人たちの温かさを知ることが出来た。
そんな凄みのある受験を、結果だけ見て「意味がなかった」「やらなきゃ良かった」で片付けさせるわけにはいかない。
どうか、自分をねぎらい、そして受験勉強に意味を見つけてほしい。足りなかったこと、上手くいったこと、変われなかった自分、大きく変わった自分。それを次に生かせば、この受験は限りなく成功に近づく。
君が踏み出す次の一歩が、涙にまみれた一歩であっても、笑顔に溢れた一歩であっても、どちらも等しくかけがえのない価値のあるものだ。その価値を僕は信じているし、その一歩を踏み出した君の勇気に最後のエールを送りたい。
高校受験、お疲れ様でした。
良い、人生を。